大丸鉄興(茨城県境町、太田慶樹社長、0280・87・8611)は、大型鋼板の加工などを手がける。自社ブランドのステンレス製品を販売する一方、2014年から防災分野に参入を開始。近年の災害による断水トラブルを受け、非常時給水タンクシステム「みずがめ君」のBツーC(対消費者)市場を強化している。

 同製品は、一般戸建て住宅の床下か外に設置し、埋設された水道管路の途中に接続して使う。水道管に直結し、逆止弁で水道水の流失を防ぐ。震度7の地震にも耐えられ、床上浸水1メートル程度なら、水がはければ中の水は使えるという。

 東日本大震災の際、飲料水やトイレの水、体を拭く水などを得るために、給水車に3―4時間並ばなければならず、井戸水は電源がなくくみ出せない、などの事態が起きた。これをきっかけに、一般住宅向けとしてステンレス事業部が開発を始めた。

 1本当たりの標準貯水量は163リットルで、2本あれば4人家族で1週間分の生活用水が確保できる。ステンレス製のため耐久性にも優れ、さびにくい。日本水道協会の認証も取得した。小所帯向けとして120リットル、85リットル、50リットルも用意している。

 タンク内部は旋回流を発生させて水道水の滞留を防止する構造で、特許取得済み。普段は常に水道水が入れ替わっている。手動で加圧ポンプの取り付けが可能で、断水による水圧低下時や停電時でも蛇口から給水できるという。
(文=高橋沙世子)

【ファシリテーターのコメント】
開発責任者の大古道男ステンレス事業部長は「メーンとなるのはリフォーム市場で、災害対策としての需要が多い」とした上で、今後は「新築ハウスメーカーでの標準設備としての採用を見込む」と話す。
(日刊工業新聞社茨城支局・高橋沙世子)
日刊工業新聞 記者