NTNは10月に買収した鍛造部品メーカー、羽咋(はくい)丸善(石川県羽咋市)の株式保有比率を49%に引き下げる。NTNは羽咋丸善が持つ自己株式を除き、大半の株式を取得していた。羽咋丸善創業家と経営方針などが折り合わず、子会社化の方針を見直す。創業家の平美都江氏と伊藤忠丸紅住商テクノスチール(東京都千代田区)との3者共同出資会社とし平氏が2019年1月1日付で代表権のある社長に復帰する。

 メーカーが生産体制の強化を目的に子会社化した企業の株式について、時間をおかず第三者などに譲渡するのは極めて異例。NTNは経営方針などをめぐり創業家と再協議し、方針を見直したとみられる。

 羽咋丸善は継ぎ手部品や建設機械用台座といった、軸受以外の部品が売上高の6割程度を占める。軸受以外の事業を継続する上で、出資比率見直しが必要と判断した。NTNは今後、羽咋丸善に経営の独立性を一定程度認め、同社が生産する大型リング部品の知見や販売網を継承しながら自社の大型産業用軸受の部品調達を維持し事業拡大につなげる。

 NTNは独占禁止法に基づく認可を得た上で、保有する羽咋丸善の発行済み株式の一部を売却する。伊藤忠丸紅住商が41%、平氏が10%を保有する予定。
日刊工業新聞2018年12月28日

わずか3カ月で
 NTNは風力発電設備向け大型軸受などに使う鍛造部品のメーカー、羽咋(はくい)丸善(石川県羽咋市)を買収する。買収額は100億円程度とみられる。このほど両社が合意した。同じ石川県の能登地区にあるNTNの4工場との連携を進めて、大型産業機械用軸受の一貫生産体制を充実する。

 羽咋丸善は独自の鍛造技術や設備を使い、風力発電設備の大型軸受や建設機械の旋回台座などに必要なリング部品を生産する。鋼材を削らずに、複雑な形状を作れる技術力が強み。

 材料のムダが少ないため、大型部品では特に材料費の削減効果が高い。NTNのほか大手軸受けメーカーなどにも納入実績があり、軸受用鍛造部品のシェアが高い。

 NTNは石川県の能登地区を、大型産業機械用軸受の主要生産拠点に位置づけている。2017年には同地区に熱処理工場を設置し、一貫生産体制を敷いた。

 羽咋丸善からは09年に鍛造工場を譲り受けたこともあり、両社の関係は深い。羽咋丸善の事業を引き受けることで同社の高い技術を取り込み、グループ内の一貫生産体制を強めつつ稼ぐ力を向上する。

 NTNは21年3月期までの3カ年中期経営計画で、産業機械向けの売上高を18年3月期比約5%増の1250億円に増やす目標を掲げる。同社は羽咋丸善の買収により、競争力のある産機向け部品のラインアップも増やし、産機向け事業の拡大に弾みを付ける。
日刊工業新聞2018年9月28日