個人間で不用品などを交換する「シェアリングエコノミー(シェアエコ)」が存在感を増している。代表格はスマートフォンで物品を売り買いするフリーマーケット(フリマ)アプリで、利用者はシニア層にも拡大。少子高齢化に悩む地方では、シェアエコを「共助」のツールとして捉える動きもある。利用者が拡大していくのは確実だが、本や服などの中古品を売買するリユース業界には脅威となる存在だ。

 「中古品に対する意識が大きく変わった」。靴の修理店「ミスターミニット」を運営するミニット・アジア・パシフィック(東京都台東区)の清水健太郎営業本部長は、フリマアプリ浸透の影響をこう指摘する。店頭でフリマアプリに出品された革靴の傷んだ部分を指さしながら、「この修理費はいくらですか」などと尋ねる客が増えているという。安く買って修理し、自分で使ったり転売したりしているとみられる。

 フリマ最大手メルカリの小泉文明社長はサービスが広く受け入れられた背景について、「大量生産・消費が持続可能でないことを誰もが感じており、新品へのこだわりが薄れている」と分析する。

 シェアエコ普及を後押しするのが、スマホなどを使って何かを「したい人」と「してほしい人」を取り持つマッチング精度の向上だ。フリマアプリではキーワード入力だけで求める相手が見つかる。

 こうしたマッチングを地方の課題解決に生かす動きもある。スマホを使い同じ目的地の人同士が車に相乗りする「ライドシェア」サービスを手がけるnotteco(ノッテコ、東京都千代田区)は2017年春から北海道北部の天塩町と協力し、高齢者の「足」づくりを進める。約70キロメートル離れた稚内市まで通院のために利用する町民が多い。同社には他の自治体からの問い合わせも相次いでいる。

 一方、危機感を抱くのが既存の店舗型のリユース業界だ。商品の買い取り価格は在庫管理のコストなどを考慮するため、「希望よりも低いケースがほとんど。そうなると自分でフリマで売った方がいいと考える人が多い」(関係者)。

 IT化が個人のさまざまなニーズをつなぎ、「リアル」から「ネット」への流れが強まる中でビジネスモデルの見直しを迫られている。

【ファシリテーターのコメント】
                     
日刊工業新聞 記者