労働人口の減少に伴う人手不足や働き方改革を背景に、RPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を導入する企業が増えている。RPAは業務効率化を支援する“デジタルレイバー(仮想労働者)”としての期待が高まるが、RPA導入後の課題として「野良ロボット(管理されていないロボット)」などが浮き上がっている。

 RPA導入後に課題となるのは、ロボットの効率的運用とガバナンス(統治)のあり方だ。IT各社は稼働するロボット数が増加する中で、野良ロボット問題に警鐘を鳴らす。

 RPAはコンピューターで動くソフトウエアに他ならないが、管理されていない状態で放っておくと予期せぬ事態を招きかねない。ソフトウエアロボットがプログラムに従って社内の重要情報にアクセスしてしまうなどのリスクもある。

 NECはRPAソリューションの強化版として、企業内のさまざまな部門が保有するRPAライセンス(仕様許諾権)やロボットの稼働状況・バージョン情報を一元管理する「RPAロボット管理ソリューション」の提供を始めた。ロボットのメンテナンスや作業内容の把握を効率化でき、統制の取れたRPAの運用が可能になる。併せてロボットが作業した内容を詳細なログ(履歴)や動画形式で自動記録する機能などのツールも強化した。

 RPAソフト専業ベンダーもRPA管理機能の強化に乗り出している。米ユーアイパスの日本法人、ユーアイパス(東京都千代田区)はRPA製品「ユーアイパス・オーケストレーター」の機能強化として、NECの統合運用管理ソフトウエア「ウェブサム・ジョブセンター」にいち早く対応した。

 ウェブサム・ジョブセンターはオンプレミス(自社保有)に加え、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「AWS」やマイクロソフトの「アジュール」といったクラウド基盤でも環境を選ばずに、ロボットの実行や停止のスケジュール指定・管理、リアルタイムな障害検知などが可能。稼働するロボット数の規模に応じて増加しやすいランニングコストや運用負荷を軽減できる。

 NECのRPA運用ソリューションは、複数のRPA製品で400体以上のロボットが稼働するNECマネジメントパートナー(川崎市中原区)のRPA推進センターで4月から本格導入する。社内実践を通して、RPAの利活用の促進と課題解決に取り組む。