経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)への支援をめぐり、米アップルが液晶ディスプレーの発注を増やすことが明らかになった。アップルは中国からの調達を減らし、その分の発注をJDIへ振り分ける。激化する米中貿易摩擦を背景に、米国メーカーは情報通信機器などの中国生産を回避しつつあり、その一環でもある。ただ、長年の課題だったJDIのアップル依存がさらに強まることになる。

 アップルは2020年にかけてスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などに使う中国製の液晶ディスプレーの搭載を縮小し、JDIへの発注を増やす。アップルへの液晶ディスプレーは主にJDIや韓国のLGディスプレイ、シャープが供給する。

 各社はディスプレー製造の前工程を日本や韓国で行うが、モジュール化などの後工程は人手に頼るため中国にほぼ集中している。JDIはフィリピンに後工程の工場を構えており、中国からフィリピンへ一部移管するとみられる。

 JDIの白山工場(石川県白山市)の稼働率はほぼゼロで、7―9月に操業を休止する計画。アップルからの発注量が増えれば、再稼働の判断にも影響しそうだ。

 アップルはJDIへの追加の金融支援も検討する。JDIがアップルから借りた前受け金(製品供給前に受け取る代金)の返済条件の緩和や出資などを想定する。最大顧客が追加支援に乗り出すことで政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)もさらなる金融支援に動きやすくなる。

 ただJDIのアップル依存は深刻。18年度の同社向け売上高は全体の60・6%に達し、さらに比率は拡大する。