大手電機8社の2019年4―6月期連結決算は、5社が営業減益となった。米中貿易摩擦が深刻化し、市場の冷え込む半導体やディスプレー、自動車関連事業へのマイナス影響が出始めた。日本の対韓輸出管理見直しも新たな逆風になり、通商問題が各社の先行きに暗い影を落とす。20年3月期業績見通しの下振れリスクが急速に膨らんでいる。

 東芝が7日発表した19年4―6月期決算(米国会計基準)は営業利益が大きく改善したが、構造・調達改革効果が主な増益要因だ。税引き前損益、当期損益は赤字に転落した。東芝メモリの持ち分法投資損益が同381億円悪化し、仏トタルへの液化天然ガス事業譲渡損失を893億円引き当てたため。

 市況の低迷する半導体事業は「ディスクリート、システムLSIともに約2割落ちている。今後何が起こるかが分からないので決して楽観は許されない」(平田政善専務)と厳しい状況だ。

 パナソニックは中国向けの産業用モーターや実装機販売が落ち込み、シャープも中国や欧州向けテレビや液晶パネルが振るわず大幅減益となった。

 ソニーの4―6月期は営業利益が過去最高で、スマートフォン向けのイメージセンサーが引き続き好調だった。ただ「下期以降の通商問題などへの懸念は残っている。今後の影響は上期いっぱいかけて見極めたい」(十時裕樹専務)と先行き慎重な姿勢だ。

 4―6月期の営業損益が08年度以来11年ぶりに黒字転換したNECも米中摩擦の影響を不安視する。「他社の決算をみるとハードや部品系が厳しい。このトレンドが長期化すればIT需要への影響も当然考えられ、今後を楽観していない」(森田隆之副社長)とIT投資抑制を警戒する。

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