第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が28日、横浜市で始まる。TICADは経済成長による貧困問題の解決を目指す国際会議で、持続可能な開発目標(SDGs)と一致する。企業にとってもアフリカ進出は、イノベーションによる社会課題解決のチャンスだ。長年、日本企業のアフリカビジネスを支援してきた国連工業開発機関(UNIDO)東京事務所は、TICAD7を日本企業のアフリカ進出の契機にしようと準備を進める。

 TICADは日本政府が主導し、国連、国連開発計画、世界銀行などが共同開催する。前回16年の第6回会議(ケニア)にはアフリカ53カ国の首脳や日本企業などから1万人以上が参加した。

 人口13億人のアフリカは「最後の巨大市場」と呼ばれるが、発展途上のため進出をためらう日本企業が多い。UNIDO東京事務所の安永裕幸所長は途上国や欧州企業が先行する現状を見て、「アフリカ進出はまだ早いという声が日本企業から聞かれる。日本開催のTICAD7で『みんなでアフリカに行くしかない』という機運になってほしい」と期待する。

 同事務所は“夏休み返上”に近い状態でTICAD7の準備に追われてきた。会期中の30日、アフリカ企業10社程度と日本企業との商談会を開く。来日企業はテレビなどを組み立てる電機メーカー、政府向けに電子商取引サービスを提供するスタートアップなど多彩。日本企業と提携したい分野は監視カメラのソフトウエア設計、鉄道部品製造、太陽光発電などと具体的だ。


 同事務所は日本企業を支援する現地アドバイザーを雇用している。アルジェリア、エチオピア、モザンビークに続き、セネガルを加えた4人体制にした。現地視察もアドバイザーが案内するので日本企業には心強いという。

 TICAD7では日本の中小企業12社を集めたブースも出展し、アフリカの企業や政府要人に紹介する。コメのもみ殻を燃料化する装置を製造するトロムソ(広島県尾道市)などアフリカ市場で実績のある企業も出展予定だ。

 「ローテクが必要なのではない。50―60年前の日本で使われた技術・製品を移転しても、イノベーションは起きない」。アフリカを何度も訪ねた安永所長は、実感を込めて語る。貧困層が多く、電気や水道の普及を待っていられない国が多い。水なしで利用できるトイレ、病院がない村でも乳幼児の命を救える医療技術など、「まったく新しい技術やビジネスが必要」(安永所長)と断言する。

 多くの課題を抱えたアフリカにはイノベーションのヒントが多い。進出しないとイノベーションの機会を失い、アフリカ市場での競争でも出遅れる。SDGsは「民間企業に課題解決のための創造性とイノベーションの発揮を求める」と促している。

 SDGsへの貢献を宣言した多くの日本企業にとって、アフリカ進出がSDGs実践の場となる。


【ファシリテーターのコメント】
イノベーション創出、ソリューション提供、社会課題解決型企業。こんなフレーズを発する企業が多いのではないでしょうか。こうした企業にもアフリカは言行一致のチャンスです。言っているだけなのか、実際にやるのか、TICAD7を見て検討する企業が増えること期待したいです。
松木 喬