携帯電話大手が料金プランに対する消費者の理解を深めてもらう取り組みを強化している。1日に施行した改正電気通信事業法を受け、NTTドコモとKDDIは同日から定期契約期間の支払総額を消費者に提示するサービスを開始。ソフトバンクは認定スマホアドバイザーを11月までに2017年9月比3倍の1200人に増やす。携帯料金引き下げは“不発”だったが、料金プランの理解促進は着実に進展している。(取材、編集委員・水嶋真人)

一目で分かる
 NTTドコモは今月から顧客に渡す契約書面に定期契約期間の支払総額を記載するようにした。例えば2年契約を結んだ顧客は、2年間の料金プランと割り引き適用額、機種分割支払価格と事務手数料の合計額が一目で分かる。

 契約期間を満了する顧客へ満了1カ月前に送信する「ご案内メール」にも自動更新後の定期契約期間の支払総額が分かるウェブページのアドレスを記載する。20年2月に定期契約を満了する顧客から、この記載を始める見込み。料金シミュレーションを行うウェブページにも支払総額を表示する検討を始めた。

 KDDIも当初、20年度からを予定していた定期契約期間中の支払総額の店頭掲示を10月1日からに前倒しした。初月、2カ月目、50カ月目以降など月ごとの支払額や料金プラン変更前の料金も表示し、消費者が理解しやすくした。料金シミュレーションを行うウェブページでも19年度中をめどに支払総額を表示する予定だ。

アドバイザー増
 ソフトバンクは契約期間の縛りがない料金プランの導入により、総額表示は不要だ。一方、店頭でのスマホ選びや最適プランの案内、スマホ操作を説明するスマホアドバイザーを大幅に増員した。研修を受け、試験に合格した店員を同社が正式に認定している。

 ソフトバンクは販売店で顧客が滞在する時間を減らすべく、店頭の専用ディスプレーを通じ、特定機種の機種変更に必要な手続きを利用者自身で行う「店頭セルフオペレーション」の試験運用を都内の直営店2店舗で8月まで実施した。本格導入も検討している。

 KDDIは9月に来店予約システムを刷新した。従来は現在の待ち状況を確認後、複数の画面を経て予約日時を選択する必要があったが、待ち状況確認後すぐに予約日時を選べるようにした。同社によると、8月の来店予約システム利用者数は前年同月比で倍増したという。

 ドコモも19年度中に販売店での顧客の滞在時間を18年比半減させる。来店予約可能店舗を19年度中に1000店舗へ拡大。来店予約時に説明ツールで事前確認し、ウェブ上で再説明要否を事前登録した顧客には10月23日から来店時の対象項目の再説明を不要とする。

 従来、販売店での待ち時間や説明に計2時間かかったが、事前予約で待ち時間なく手続きにかかる時間も確実に短縮している。従来の雰囲気を一新した次世代販売店も増えており、顧客満足度の向上につながりそうだ。