ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建は本質を見なければならない。4月以降、金融支援への参加を表明していた海外企業の離脱が続き、稚拙な情報開示と相まってマスコミを含めた外部の疑心暗鬼を招いたのは仕方のない面もある。ただ、いたずらに不安だけをあおっていても問題解決にはならない。

 経営危機のJDIが直面する問題は二つある。資金繰りと債務超過の解消は分けて考えるべきだ。年末商戦向けのスマートフォン新商品などで液晶パネル需要が増えるため、運転資金への懸念が強まっていた。

 JDIは23日、対応策として米アップルなど主要取引先による11月からの製品代金支払いの前倒しで最大約400億円の資金繰り改善効果が得られると発表。政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)からの短期借入金も合わせると、当面の資金繰りは問題ないと訴える。

 一方、債務超過を解消するための資金調達計画は中国ファンド大手のハーベストグループの離脱で遅れている。現在、2億ドル(約217億円)を資金供与予定のアップルと5000万ドル(約54億円)の出資意向を表明する別の事業会社の参加はほぼ固まり、さらに複数の金融投資家と協議に入っている最中だ。

 運転資金の問題が解消されたことで、拙速に資金調達を進める必要性は薄れつつある。ただ、JDIは公表済みの「11月末までに500億円の資金調達にめどを付ける」という旗を降ろすつもりはなさそうだ。

 取り巻く事業環境は日増しに改善している。取引先の支払い条件緩和に加えて、アップルが9月に発売したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新モデルが販売好調だという。これまで実行してきた白山工場(石川県白山市)などの減損処理と人員削減中心の構造改革により、年間500億円の固定費削減が今後効いてくる。2019年度下期からの黒字化は必達目標だ。

 経営再建へすっかり“オオカミ少年”になってしまったJDIだが、一筋の光明が差し始めたことは確かなようだ。