10月12日、日本に上陸した台風19号は企業活動に甚大な影響を及ぼした。その爪痕は深く、生産拠点の全面復旧を新年に持ち越した企業が少なくない。全面復旧した企業であっても、台風上陸から2カ月余りを要するなど、復旧に手間取った企業が数多い。被災地での生産再開を断念した企業もあり、復旧・復興は道半ばのまま2020年を迎える。

日立製作所は台風19号の被害を受けた郡山事業所(福島県郡山市)の生産の大半を移管し、同事業所での生産再開を断念する。通信サーバーなど情報通信機器事業は神奈川県秦野市の生産委託先工場へ移し、一部工程のみを同事業所に残す。また同事業所で行っていた電源の生産は20年度中に傘下の日立アイイーシステム(愛知県稲沢市)本社工場へ移管する。板金・塗装などの工作事業は20年3月に終了する予定だ。

パナソニックは台風の浸水被害で操業を停止していた電子材料を生産する郡山工場(福島県郡山市)について、23日に一部生産を開始。全面復旧は新年に持ち越した。順次ラインの立ち上げを進めて、20年1―2月中の全面復旧を目指す。

太陽誘電も全面復旧は新年になる。浸水で稼働を停止している福島太陽誘電(福島県伊達市)は27日時点で一部のラインで再開のめどがたっている。顧客には、在庫分で可能な限り対応している。

豊田自動織機は、台風19号でサプライヤーが被災した影響で稼働を停止していた高浜工場(愛知県高浜市)がこのほど全面稼働を再開した。サプライヤーが被災した直後から豊田織機の社員、工作機械メーカー、装置の販売代理店のスタッフらが現地に駆けつけて復旧にあたった。現在は稼働停止前の水準まで全面稼働している。

日立建機の土浦工場(茨城県土浦市)と龍ケ崎工場(同龍ケ崎市)で停止していた一部生産ラインは12月初旬に全面復旧した。今回の停止により当初の10―12月の生産計画台数と比べて1000台減少した。長野県にあるサプライヤーの被災で2工場の一部生産ラインを停止していた。現在は「生産計画の遅れを取り戻す」(平野耕太郎社長)ため両工場で増産している。

SUBARU(スバル)は台風19号の影響で自動車部品を供給するサプライヤーが被災し、完成車を生産する群馬製作所(群馬県太田市)の操業が4日半、停止した。操業が止まったことで台数に換算し約1万1000台の生産に影響が出た。中村知美スバル社長は「品質の面を考えながら慎重に生産を続けている。100%挽回できるとは言い切れないが、今後の生産で年度内にどのぐらい挽回できるか詰めている」としている。