日本触媒は、紙おむつ素材の高吸収性樹脂(SAP)について環境対応型の開発に着手する。環境問題をめぐり、規制強化が進んでいる欧州市場での販売を想定する。五嶋祐治朗社長は「環境を意識した製品に変えていくという意識は強い。2025年をめどに商用化を目指したい」としており、生分解性や非化石の原料などを用いた環境に優しいSAPの開発を急ぐ。

SAPの原料となるアクリル酸は、プロピレンを直接酸化して製造される。このプロピレンをバイオプロピレンに代替するために、まずバイオプロピレンの開発を石油精製系のグローバル大手メーカーと共同で行う話を進めているという。

「生分解できるSAPはすでに世の中にあるが数量が少ない。環境対応型SAPの開発は、トップメーカーの責任でもあり競合他社との差別化にもつながる」(五嶋社長)とみている。

ただ、高付加価値の環境対応型素材は開発費や生産コストがかかる。コスト低減努力や紙おむつメーカーなどに適正価格で購入してもらうこと、市場ニーズなどが今後の課題に挙げられる。

日本触媒が手がけるSAPの生産能力は年約71万トンで、世界シェアのトップを誇る。20年10月には同じくSAPを主力事業とする三洋化成工業と経営統合し、供給能力は合算で年約110万トンとなる見込みだ。