日銀のマイナス金利政策が続く中、銀行各行は事業の構造改革を急ピッチで進めている。コロナ禍を乗り越え、その先にある成長に向け、時代のニーズに沿った体制を築こうと懸命だ。りそなホールディングス(HD)は2023年3月期までの新中期経営計画をまとめ、デジタル戦略強化や人員体制の見直しを掲げた。テーマは基盤の再構築だ。(戸村智幸、編集委員・六笠友和)

「銀行の基盤はこれまでのビジネスモデルを支える形になっており、基盤を再構築する」―。南昌宏りそなHD社長は新中計の位置づけをこう説明した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う内需や雇用の落ち込みが2年間続くと想定。こうした中、構造改革を進め、23年3月期の当期利益目標を20年3月期比5・0%増の1600億円に置く。

新中計を説明する南りそなHD社長

デジタルでは、顧客用スマートフォンアプリをビジネス創出につなげる。ダウンロード数を同2・3倍の500万件に伸ばし、店舗との連動を高め、顧客ニーズに対応する。

人員体制は、自然減により同3100人減の2万8700人にする。事業承継や新規ビジネスへの人員の再配置も進める。デジタル・IT分野の人員は同250人増の1000人にする。

人員、店舗網の効率化を軸にした構造改革は、銀行業界全体の課題と言える。大手3行では、三菱UFJフィナンシャル・グループが、18年度始動の長期展望に盛り込んだ合理化を加速している。23年度までに、三菱UFJ銀行の従業員数が自然減などで17年度比で8000人程度減る見通しだ。従来想定の6000人程度を上回り、17年度の従業員数の2割に当たる。

三井住友フィナンシャルグループは、19年度までの3カ年で自然減により国内4000人の削減計画を進めた。みずほフィナンシャルグループも、26年度までに人員数を16年度比で1万9000人減らし、24年度には国内店舗数を同130拠点削減する。前年、17年末公表の当初計画から30拠点積み増した形だ。

各行いずれも、厳しい経営環境にも耐えうる体制づくりに余念がない。