コンビニエンスストア大手3社が7月1日から全店でレジ袋を1枚3円で有料化することが4日、明らかになった。政府が7月から全国の小売店に義務付けるプラスチック製レジ袋の有料化に対応する。

最大手のセブン―イレブン・ジャパンは5種類あるレジ袋のうち、特大サイズを5円、その他を3円とする。ファミリーマートとローソンは大きさを問わず一律3円。

3社ともバイオマス素材が30%配合されたレジ袋に順次切り替える方針。配合率25%以上のレジ袋は有料義務化の対象外だが、有料化でマイバッグの利用を促し、プラスチックゴミ削減につなげる考えだ。大手スーパーやドラッグストアは4月から既にレジ袋の有料化を始めている。

日刊工業新聞2020年6月5日

マイバックに条例も

買い物時にマイバッグを持参する機会がここへきて増えてきた−。こう実感している人は少なくないだろう。実際、小売店が買い物客に配布するプラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化が2020年7月に義務づけられるのに先立って、流通大手の間では、この4月から前倒しで実施する動きが広がる。プラスチックを過剰に使用しないライフスタイルへ向けた一歩は着実に踏み出されつつある。

グループ店舗に広がる

イオングループでは、有料化の対象を、先行実施してきた総合スーパー「イオン」などの食品売り場や食品スーパー「マックスバリュ」などに続き、この4月からは都市型スーパー「まいばすけっと」や大手ドラッグストア「ウエルシア」、さらに総合スーパーの衣料、生活用品売り場にも拡大した。グループの約7300店でプラスチック製レジ袋の無料配布を終了したことになる。

ファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」と「ジーユー」も紙製買い物袋への切り替えを進めており、これを有料化する方針だ。このほかマツモトキヨシホールディングス(HD)でも有料化が始まった。

要件クリア それ以上に

他方、急な来店が多いことからマイバッグ持参を促すことが難しいとみられていたコンビニ業界でも新たな動きがみられる。ファミリーマートは、レジ袋を植物由来のバイオマス素材を30%配合したものに切り替えた上で、7月から有料化に踏み切る方針を発表した。国のガイドライン(指針)では、バイオマス素材の配合率が25%以上のレジ袋は有料化の対象外で、この基準を満たしているものの、これを機にプラスチックの使用量削減に取り組む姿勢を示す。

セブン&アイホールディングスでは2030年にレジ袋の使用量ゼロを目指す宣言を公表。すでに傘下の総合スーパー「イトーヨーカドー」の食品売り場や食品スーパー「ヨークベニマル」で有料化を実施しているのに続き、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」でもレジ袋削減に向けた取り組みを進めている。「セブン-イレブン」ではバイオマス素材を30%配合したレジ袋の使用を全国の店舗に推奨しており、7月以降は全量バイオマス素材のものにすべて切り替えるよう店舗オーナーとの調整を進めている。

セブン&アイが発売したエコバック。コンビニでの利用を想定し温めた弁当と冷たいドリンクをバッグ内で分けて持ち運べる。廃プラスチックを主原料としたリサイクル素材製だ

7月にスタートするレジ袋有料化の制度では、前述のバイオマス素材の配合率以外にも、有料化対象外の条件があと二つある。プラスチックのフィルムの厚さ0.05ミリメートル以上のもの。厚さが関係するのは、丈夫で繰り返し使用可能であれば、一度の使用で捨てられる「ワンウェイ」製品の削減につながると考えられるからだ。さらに海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの。微生物によって海洋で分解されれば海洋プラスチックごみ対策につながるためだ。

先行事例にみる削減効果

果たして有料化によってレジ袋の削減効果はどの程度見込めるのか。先行事例が富山県にある。同県は2008年に事業者・消費者団体・行政の3者による協定に基づき、レジ袋の無料配布を廃止した。それから10年。協定に参加する店舗におけるマイバッグ持参率は95%に達し、この間、配布されたレジ袋は15億枚。県によると何も対策を講じなかった場合のレジ袋の配布量は30億枚に上ると推計されることから、無料配布の廃止により、約半分のレジ袋が削減されたことになる。

自治体の間では、さらに踏み込んだ対応を求める動きもある。3月末には京都府亀岡市では、市内のレジ袋の提供について、海洋生分解性プラスチック製のものを除き全面禁止する全国初の条例が成立。その海洋生分解性プラスチックについても有料での配布とする。ただ、この条例を定めるにあたっては、賛成の意見がある一方で一部の産業界からは現場の運営に深刻な影響が出ることへの懸念や、プラスチックの利便性と環境配慮をどう実現するのか、あるいはレジ袋はプラスチックごみ全体の一部にすぎないといったさまざまな声があった。

なお、現時点では2021年1月に施行予定とするが、新型コロナウイルスの感染拡大などの状況に応じて、見直される可能性もある。

対策機運の高まりを受けて、メーカーによる代替品開発も加速している。分解性といった環境配慮と耐久性などレジ袋としての性能、そして経済性をどう実現するのか。注目が集まる生分解性プラスチックをめぐっても、素材や製法によってタイプが異なり、それぞれの特性を生かした商品が誕生している。

METIジャーナル2020年04月23日