トヨタ自動車は中国の大手自動車メーカーなど5社と商用車用の燃料電池(FC)を研究開発する合弁会社を2020年中にも設立する。中国では商用車を中心に燃料電池車(FCV)の市場が拡大しており、中国政府もFCVへの関心を強めている。トヨタは中国での提携関係を強化することでFCシステムを効率的に開発し、FCV普及の基盤作りを進める。

新合弁会社「連合燃料電池システム研究開発(北京)」はトヨタのほか、北京億華通科技、中国第一汽車、東風汽車集団、広州汽車集団、北京汽車集団の5社が参画する。総出資額は約50億1900万円でトヨタは65%を出資する。従業員数は約50人を予定。23年までに段階的に約100人まで増やす計画。

参画する6社は協議で商品を企画し、中国の性能ニーズに対応するFCスタックなどの主要部品や、それを支えるFCシステム制御、車両搭載までの技術開発を一貫して手がける。低コストで品質の高いFCシステムの開発につなげる。

FCVは水素と酸素の反応で発電してモーターで走る。走行時に排出するのは水だけで「究極のエコカー」とされる。トヨタは14年に世界初の量産FCV「ミライ」を発売した。FC開発ではホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)、独ダイムラーとスウェーデン・ボルボなどが協業関係にある。

自動車メーカーは新技術に関し「知見をオープンに広めて勝負しようという姿勢を強めている」(EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング商用車&モビリティチームの早瀬慶リーダー)。トヨタには次世代環境車としてFCV需要の大きい中国で提携関係を強化することで、普及をリードする狙いもあるとみられる。