新型コロナウイルスの感染拡大以降、コンビニエンスストアでアルバイトの応募が急増している。感染前、多くの店舗は人手不足に悩まされてきたが、「自宅近くで働ける」という理由から、新型コロナで仕事を失った主婦や学生らの応募が相次いでいる。立地によって応募数に差はあるものの、地域での雇用の一助となっている。(編集委員・丸山美和)

中野区など都内で34店のローソンを経営する前田宏オーナーは「3月以降、住宅立地店舗のアルバイト枠は埋まり、4月は応募の9割を断ることになった」と明かす。「コンビニ経営を始めて20年、こんなに応募が殺到するのは初めて」と驚く。

ローソンではホームページ上に求人サイトを開設している。4月は前年同月比で約3倍、5月は1・7倍の応募があった。アルバイトが充足されたことで、4月と5月は求人募集店舗数も減少した。

セブン―イレブン・ジャパンでは店舗立地により差があるものの、3月から応募数が増え始め、4月の応募数は全国平均で前年同月比2倍となった。現在も高い応募率が続いている。だが「完全に人手不足が解消したとは言い切れない」(セブン―イレブン)とみる。

ファミリーマートでも応募が増えており「大学生やフリーターを中心に都市部で応募が多い」(ファミマ)という。ファミマでは、応募や面接なしですぐに働けるタイミー(東京都渋谷区)のスキマバイトアプリ「タイミー」など4種類を導入した。タイミーで店舗のアルバイトに入った学生らは「空いた時間に働ける」と評価は高い。利用オーナーからも「シフトの欠員補充に役立っている」と、スキマアプリを活用する店舗も増えている。

ただ同社もセブン―イレブンと同様に「地方は応募数に差があり、全国的な人手不足解消までには至らない」(ファミマ)。

厚生労働省によると、新型コロナの影響で解雇や雇い止め(見込みを含む)にあった人は1日時点で3万1710人に達した。

ここ数年は飽和状態と指摘されてきたコンビニだが、店舗数の多さから雇用の受け皿となりつつある。