トヨタ自動車グループが、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復を色濃くしている。同グループの主要部品メーカー7社が未定としていた2021年3月期の業績予想を公表し、ジェイテクトを除く6社が営業黒字を確保する見通しを示した。トヨタの生産回復を主要因に、各社の生産は5月を底に10月以降、前年並みに戻る計画。ただし感染の再拡大リスクもあり、各社は先行きを注視している。

好調が続く中国や米国の回復が業績に寄与する。各社は事業回復と併せ、徹底した合理化や経費削減で利益を積む方針だ。

デンソーは体質改善効果に加え、20年3月期に計上したリコール費用の影響がなくなり、前期比63・7%増の大幅営業増益を見込む。松井靖経営役員は「止血・体質改善効果として年1000億円を計画しており、年間黒字を確保したい」と力を込める。豊田合成も前期に子会社譲渡費用を計上した影響で、増益を見通す。

アイシン精機はアイシン・エィ・ダブリュとの統合準備による合理化と構造改革などで計900億円の効果を見込む。川崎有恒執行役員は「もっと挽回できれば」と、さらなる利益積み上げに意欲を見せる。豊田自動織機も「人件費や海外渡航費など削減できるところはする」(河井康司経営役員)。愛知製鋼も収益改善活動で年33億円を積み上げる計画。

トヨタ紡織は年100億円超の業務改善効果を見込む。法人税負担などで当期損益は赤字見通しだが、笛田泰弘執行役員は「固定費の効率化や市場回復を取り込み、なんとか最終黒字にしたい」と話す。

唯一、ジェイテクトは開発費増や基盤整備による固定費増などが響き、営業損益と当期損益ともに赤字の見通し。牧野一久専務取締役は「赤字事業の構造改革に加え、2年程度かけて欧州サプライチェーンに手を打つ」と強調した。


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