マレリは4年内をめどに自動車用空調製品などの組み立てラインの自動化を海外展開する。人件費の高い欧米地域で優先的に着手する。すでに国内工場では自動化を実施しており、そのノウハウを生かす。導入するロボットが製品を組み立てやすいように、製品の設計段階から改良する。現在進めている世界中の工場データを活用した生産改善の取り組みと合わせ、工場の自動化率の引き上げにより生産効率を高める。

カーエアコンユニット(HVAC)やメーターといった製品の組み立てラインに自動化設備を入れる。欧米など人件費の高い地域への導入を優先する一方、他地域では各国の人件費水準と設備投資メリットを考慮し、自動化ライン導入の可否を判断する。同社のHVAC関連事業の売上高は1000億円規模と見られる。

HVACの自動化に向けた取り組みは国内工場が先行している。2年ほど前から組み立てラインの自動化に向けた試験を開始。現在は子会社のマレリ九州(大分県宇佐市)のHVACを生産する工場で約5億円を投じて組み立てラインを自動化した。

同工場にはアーム型ロボット17台などを導入。製品を組み立てる際に反転回数を減らせるように製品設計を工夫した。組み立てラインに携わる人数と作業時間は半減した。製品設計の改良は自動化に対応しない他の工場でも、人手による作業時間の削減に効果があると見込む。

今後HVACの「検査工程」の自動化にも着手する。すでにコックピットモジュール事業では導入実績がある。自動化の範囲を広げて品質安定性やトレーサビリティー(履歴管理)の向上につなげる。マレリの2019年度の売上高は約1兆5410億円。世界に145工場あり、各工場の生産工程のデータを活用した改善活動も進める。