三菱重工工作機械(滋賀県栗東市、若林謙一社長)は、中国市場で常温ウエハー接合の装置販売と受託加工を一貫して提案する体制を確立する。そのため受託加工のDプロセス(神奈川県大和市)と連携。第5世代通信(5G)向けを中心に先端デバイスの量産需要を取り込む。両社で常温接合の受託加工と装置販売合わせて2―3年後に売上高20億―30億円を目指す。

常温ウエハー接合は2枚のウエハーを室温下で強固に接合する日本発の技術。接合による熱歪みや熱応力が生じないため、微細化への対応が容易でデバイス品質の安定化も図れる。三菱重工工機は同技術を用いた常温ウエハー接合装置「ボンドマイスター」を2005年に発売し、業界トップシェアを握る。

Dプロセスは、常温接合が適用される金や酸化膜、窒化ガリウムなどの材料に対応した化学機械研磨(CMP)受託加工を手がける。09年にはボンドマイスターを使った常温接合の受託加工も開始し、国内外約100社に提供している。

中国市場での営業体制については、三菱重工工機は既存の現地販売代理店を活用。Dプロセスは9月中に、現地に拠点を持つ日系の半導体専門商社と代理店契約を結び、従来の複数商社による体制から販売窓口を一本化する予定。同社は中国からの受託加工も含め対応力を強化するため、ボンドマイスターを年内に2台、国内に追加導入し、5台体制とする検討も始めた。

三菱重工工機の顧客にDプロセスの受託加工を提案したり、装置納入までの加工や、研磨・接合の前後工程の一貫受託加工をDプロセスが行うなど、相互で補完する形で中国市場の深耕を狙う。両社では、すでに国内で同様の協業体制を敷いており、これを中国でも展開する。

中国では米国との関係悪化などに伴い、政府が5G関連機器の自国生産を後押ししており、その中でも、スマートフォンなど通信機器に使われる表面弾性波(SAW)フィルターの製造に不可欠な常温接合装置の需要増大が見込まれている。