日系自動車メーカー4社の8月の米国新車販売台数は、前年同月比21%減の約41万台だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で6カ月連続で減少した。改善傾向にあった減少率は7月の同15%減、6月の同19%減と比べ悪化した。営業日数が前年同月と比べ2日間少なかった影響を受けており、需要の回復傾向は続いているようだ。

メーカー別ではトヨタ自動車が同22・7%減、ホンダが同21・9%減、SUBARU(スバル)が同17・4%減だった。マツダはスポーツ多目的車(SUV)「CX―30」の新車効果があったが、同5・1%減と3カ月ぶりに減少した。7月の減少率と比べると、トヨタ(同19・0%減)、ホンダ(同11・2%減)、マツダ(同3・4%増)の3社が悪化し、スバル(同19・7%減)は改善した。

1日当たりの販売台数(DSR)で見ると、トヨタは8月が同17%減、7月が同22%減、6月が同24%減と改善傾向が継続。ハイブリッド車(HV)「カムリ」などが堅調だった。野村証券の桾本将隆リサーチアナリストらは、トヨタは在庫日数がスバルに次いで主要メーカーの中で低水準で「北米工場の稼働正常化に伴い、今後在庫状況は改善に向かう」との見方を示した。

調査会社のマークラインズによると、8月の米国全体の新車販売台数は同20%減の約132万台(推定値を含む)だった。車の年間需要台数の指標として使われる季節調整済み年率換算(SAAR)は、5月以降4カ月連続で前月値を上回り、回復基調が続く。

ただ生産休止が長引いたことで在庫懸念が顕在化しており、SUVや小型トラックを中心に販売の足を引っ張っている。また経済活動の停滞でレンタカーなどのフリート向け販売にも明るさが戻っていないとしている。

今後についてSMBC日興証券の木下寿英シニアアナリストは9月上旬に祝日「レイバー・デー(労働者の日)」商戦などがあることを踏まえ、「販売台数は相応に下支えされると考えられるが、それ以降は特に不透明感が強い」との見方を示す。

日産はCOOが陣頭指揮で米国テコ入れ

日産自動車はアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)が、北米子会社の北米日産で新設する取締役会議長を兼務する人事を決めた。北米は同社の世界販売台数の3分の1超を占める主力市場だが、ここ数年は業績が低迷している。COOとの兼務で本社と北米日産の連携を密にし、テコ入れを図る。

グプタCOOは2019年12月に三菱自動車のCOOから日産に転じた。5月に発表した23年度までの中期経営計画「日産ネクスト」の策定に携わり、執行の中心的役割を担う。北米日産の取締役会議長には近く就任を予定する。

日産は20年度の北米市場の販売台数見通しを前年度比23・8%減の約124万台とし、4年連続の減少を見込む。業績立て直しに向け、米国市場で今後2年4カ月で8車種の新型車の投入を予定。先進運転支援技術の搭載などで商品力を高め、販売を強化する。

現地自動車販売店との関係改善、ブランド価値の向上、生産能力の最適化なども推進。グプタCOOは7月にこうした施策で「採算性のある成長を果たしていける」と述べている。

(文=西沢亮)