東急不動産と鹿島が共同開発した大型複合施設「東京ポートシティ竹芝」(東京都港区)が14日に開業する。メーンのオフィスタワーにはソフトバンクが入居し、全館第5世代通信(5G)対応で顔認証による入館やエレベーターの混雑回避など先進技術を取り入れた“スマートビル”となる。将来的にはビルで得た知見を生かし、周辺エリアまで広げた街全体の“スマートシティー化”を目指す。(大城麻木乃)

「ソフトバンクは当社のコンセプトに合致するパートナー。一緒にスマートシティーを推進したい」。9日、開業に先駆けて開かれた新施設のマスコミ向け説明会。登壇した東急不動産の岡田正志社長はこう強調した。ソフトバンクの宮内謙社長も「あと1―2年で『スマートシティーだ』とビシッと言える世界にしたい」と意欲を示した。

新施設には1000個超のセンサーが取り付けられ、入館時には人工知能(AI)カメラで顔認証を行い、その情報はエレベーターに送られ、入居者はボタンを押さずに所属のフロアまでたどりつける。

ソフトバンクの自律走行ロボット「Cuboid(キューボイド)くん」がビル内のカフェの飲料を搬送するほか、ソフトバンクロボティクス(東京都港区)のAI搭載型の清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」、シークセンス(東京都渋谷区)の警備ロボット「SQ―2」も“活躍”する。エレベーターと連動することで、ロボットは上下階への移動も可能だ。将来的にはドローン(飛行ロボット)でランチを運ぶことも想定している。

東京ポートシティ竹芝でカフェのコーヒー缶を運ぶキューボイドくん

入居者は専用のアプリケーション(応用ソフト)を使い、ビル内の飲食店とトイレの空き状況や交通機関の混雑状況も把握できる。こうした情報はテナントの飲食店とも共有し、集客策の参考にしてもらう。

東急不動産などは7月に東京都が推進する「スマート東京」に向けた先行的なモデルを構築する公募のプロジェクトにも採択された。

新施設で実証できたことを順次周辺の店舗やビルに広げ、最終的にスマートシティー化につなげる。