経済産業省は2021年度予算概算要求の骨格を固めた。デジタル技術を活用した産業への転換に向け、異分野間のデータ連携支援事業などに20年度の当初予算比で2倍となる389億円を計上。また中小企業の新陳代謝を加速させるため、事業の引き継ぎ・再生支援策などに同4割増の511億円を盛り込んだ。ウィズコロナ時代に求められる構造改革を推し進め、日本企業の変革を後押しする。

デジタル分野では事業者間の協調領域における共有データや、実社会におけるビッグデータ(大量データ)の活用策を実施。モビリティーやバイオの領域で新技術・サービスの創出につなげる。またデジタル化を支えるロボットや人工知能(AI)の研究開発を重点化する。一方、コロナ禍で行政手続きのデジタル化の遅れが浮き彫りになったため、デジタル基盤・ルール整備事業などに20年度の当初予算比で65%増の71億円を計上した。

中小企業分野ではモノづくりを支える技術領域で、AIやIoT(モノのインターネット)を活用した技術・サービスモデルの開発を後押しする。また事業承継やM&A(合併・買収)の支援体制を整備するほか、事業引き継ぎ後の設備投資支援に取り組む。経営者の再チャレンジ対策も盛り込む。一方、地域経済の強化や一極集中是正に向けて同2・6倍の132億円を計上。デジタル技術や、農業など地域資源を使った活性化に着手する。

サプライチェーン(供給網)分野ではレジリエンス(復元力)を高めるため、同35%増の596億円を設定した。第5世代通信(5G)を使って製造業の変革力を強化するほか、ガイドライン(指針)を策定する。一方、経済安全保障の観点から重要技術の管理体制の構築支援に取り組むほか、メタンハイドレートなど海洋資源開発を推進し、これらに同12%増の3154億円を計上した。

与党プロセスを経た上で、月内にまとめる21年度予算概算要求で公表する。