新型コロナウイルスによる世界の死者が100万人を超えた。1日当たりの感染者と死亡者の増加は鈍化傾向にあるが、経済活動の正常化に伴う再増加が懸念される。さらにこれから冬にかけては北半球での季節性インフルエンザの流行も重なることから、警戒感も強まる。国内では、インフルエンザの同時流行を想定した新型コロナの感染拡大防止の準備が進む。(安川結野)

政府が発表した20日までのインフルエンザ発生状況では流行の兆しは見られないが、例年流行が本格化するのは11月以降。新型コロナの流行により手指衛生やマスク着用などの新たな生活様式が定着したためインフルエンザの流行は抑えられるという見方もあるが、現時点での予想は困難だ。

【受診体制で方針】

二つの感染症の同時流行に備え、政府は発熱患者の新たな受診体制の方針を示した。新たな体制では発熱症状のある患者がかかりつけ医や最寄りの診療所に電話で相談すると、地域の医療機関や検査センターなどで診療や検査を受けることができる。これまで新型コロナの疑いがある発熱患者は、受診相談センター(旧帰国者・接触者相談センター)への連絡が必要だったが、インフルエンザの流行が重なると症状から感染症を鑑別することが難しい。

【全国に呼びかけ】

新方針の中では、新型コロナのPCR検査とインフルエンザの抗原検査の同時実施も、医師の判断で可能となる。医療機関の都道府県に呼びかけ、全国で10月中の体制整備を目指す。

インフルエンザワクチンの需要増も見据え、2019年の流行期より12%多い3178万本、約6300万人分のワクチンを確保する見込みだ。

10月1日からは65歳以上の高齢者への接種を優先し、それ以外は26日以降と接種時期をずらすことで、重症化リスクが高い人へ確実に接種できるよう呼びかける。

【流行期乗り切る】

新型コロナのワクチン開発が進むが、供給開始は早くても21年の前半とされる。新型コロナの効果的なワクチンや治療薬が供給されるまでは、二つの感染症の拡大を防ぎ、流行シーズンをどう乗り切っていくかが大きな課題になる。