5日まで中国の北京市で開催中の自動車展示会「北京モーターショー」では電気自動車(EV)の出展が相次いだ。先進の運転支援やコネクテッドカー(つながる車)関連技術も搭載され、時代の先を競う。中国市場はコロナ禍からの需要の回復が早く、環境対応車の販売も伸びる。各社はコロナ後の車市場に向けて商品力をアピールする。

「中国市場は重要な市場。革新的でワクワクする商品ラインアップをお客さまにお届けする」。日産自動車の内田誠社長は展示会場でのビデオメッセージで意気込みを示した。目玉は海外で初公開したスポーツ多目的車(SUV)型のEV「アリア」。先進運転支援技術も搭載し、旗艦EVとして2021年の発売を予定する。会場では25年までに独自のハイブリッドシステム「eパワー」を搭載したハイブリッド車(HV)など9種類の電動車を投入する計画も公表した。

ホンダは中国初となる「ホンダ」ブランドのEVのコンセプト車を披露。SUV型のEVで、無線ネットワークによるアップデート機能などの搭載を予定する。中国初となるSUV型のプラグインハイブリッド車(PHV)「CR―V PHEV」も公開。21年年初の発売予定で、電動車の拡充を急ぐ。

トヨタ自動車はトヨタ車初となるEVの量産車「C―HR EV」や燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」など最新モデルを出展。中国では今年、HVの累計販売台数が100万台を突破したが、EVやFCVを含め全方位で電動車を拡大する考えを改めて示した。自動運転機能搭載のEV「eパレット」も披露。22年の北京冬季五輪で、eパレットを活用したモビリティーサービスの提供を検討していることを明らかにした。

欧州系では中国でシェア首位の独フォルクスワーゲン(VW)が10月に同国で発売するSUV型EV「ID.4」、独BMWはセダン「5シリーズ」のPHVなどを公開した。

中国汽車工業協会によると、8月の中国新車販売台数は前年同月比12%増の約219万台だった。増減率では2月の同79%減を底に5カ月連続で増加し、金融アナリストは「政府の積極的な関与もあり最も回復が早い」と見る。EVなど新エネルギー車(NEV)の販売は同26%増の約11万台と、8月単月として過去最高を記録した。環境車を含め存在感が高まる中国市場で、回復需要をいち早く取り込もうと各社がしのぎを削っている。