政府が菅義偉政権版成長戦略の検討に着手した。新設の「成長戦略会議」を軸に具体策を練り、年末の中間取りまとめを経て、2021年6月をめどに新しい成長戦略を策定する。先週末に開いた同会議の初会合では菅首相が、日本経済の生産性を高めるため、デジタル化に加えて「足腰の強い中小企業を育成する」方策の検討を指示。合併・再編を通じた中小の規模拡大に議論が発展しそうだ。

成長戦略会議では、経済財政諮問会議(議長=菅首相)が決める経済財政運営の大方針を具体化するための方策を制度面などから検討する。民間からは経済同友会代表幹事の桜田謙悟氏ら、これまで成長戦略の策定を担当してきた「未来投資会議」からの続投組5人に、日本商工会議所会頭の三村明夫氏ら3人を加えた有識者8人が参加する。これに合わせ、安倍晋三前政権の成長戦略を主導した閣僚レベルの組織「日本経済再生本部」と、この下にあった未来投資会議を廃止した。

初会合では有識者らが提示した論点を踏まえて菅首相が、ウィズコロナ・ポストコロナ時代に適応するための事業再構築や生産性の向上、労働移動の円滑化、強靱(きょうじん)なサプライチェーン(供給網)の構築などで具体策を示すよう指示。加えて足腰の強い中小企業を創出するための方策をまとめる考えを示した。

このうち中小企業に関しては大企業に比べて低く、諸外国と比較しても見劣りがするとされる労働生産性の底上げで、規模拡大や事業再編の議論にどこまで踏み込むかが焦点となる。菅首相は中小企業の規模拡大を阻む要因として、中小の定義を定めた中小企業基本法の見直しに意欲を示しており、中小企業政策の大転換につながる可能性もある。