「CEATEC(シーテック)2020オンライン」が20日に開幕した。世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえてニューノーマル(新常態)がテーマとなった今回は、非接触・非対面や自動化などの根底を支える電子部品や情報通信技術、電機各社が持つ多彩なソリューションが存在感を示している。

遠隔作業用機器目立つ

シャープはパーティション向けの透明液晶ディスプレーを出展。感染症対策のニーズに応える。加えて2022年度中の実用化を目指す「スマートヒアラブル」のコンセプトも出展した。利用者が増えたオンライン会議システム向けに提案する。

端末を身につけた人の好みや周囲の環境を人工知能(AI)が自動解析して、特定の人物の声を強調したり聞き取りやすい音質に調整したりできる。参加者の環境によって音声が聞き取りづらい場面で活躍する。

OKIは、1インチ以下のフルカラーのマイクロLEDディスプレーを出展した。画素密度は4000ppi(1インチ当たりの画素数)。工場の遠隔作業支援などで今後の需要増が見込める拡張現実(AR)・複合現実(MR)スマートグラスの採用を想定。21年春にサンプルの出荷を始める。

スマートグラスに用いると視認性の向上や駆動時間の延長が期待できる。LED応用開発部開発チームの谷川兼一氏は「画素密度は今後1万ppiまで高めることが可能。そうなれば、1円玉に4Kをのせているような状態になる」としている。

ソリューションの提案も相次ぐ。日立製作所はAIによる監視業務の効率化技術を紹介。マスク着用の自動検知など、感染対策の効率化が期待できるという。ソニーは実在の空間や人物を3次元(3D)データ化するボリュメトリックキャプチャ技術など、今後のエンターテインメント業界を支える技術を映像で披露した。

立花エレテックは3Dシミュレーションで設備の不具合や生産ラインとの微調整などを事前に検証できる「工場まるごとスマート化」を出展した。デジタルツインによる事前検証の強化で、リードタイムを従来の3分の1程度にできるという。

近年のシーテックは“異業種”の新規参入が来場者の注目を集めた。今回は、14年以来6年ぶりに出展した東芝が、がんの超早期発見につながる「マイクロRNA検出技術」でシーテックアワードの経済産業大臣賞を受賞するなど電機各社にもスポットライトが当たる。

三菱電機は会期に合わせて特設サイトも公開した。画面に直接触れずに操作する「空中タッチ操作ディスプレイ」のコンピューターグラフィックスをマウス操作などで動かせる独自コンテンツも用意して、他社の展示と差別化している。