川崎重工業は2日、2輪車と鉄道車両の両事業を2021年10月に分社化すると発表した。経営判断を機動的に下せるようにするとともに、自律的な事業運営を徹底する。両事業で他社と連携しやすくする狙いもある。橋本康彦社長は同日会見し、「分社化はコロナ禍とは関係なく、業界内の横のつながりを深める必要があるとの判断から決めた」と説明した。

2輪車事業の2021年3月期売上高は前期比5・2%減の3200億円の見込みで、航空宇宙システムに次ぐ事業規模を持つ。分社により、電動化や安全技術の向上、環境規制の対応を進めるのに加え、ブランド力の強化を目指す。

一方、車両事業の21年3月期売上高は同9・9%増の1500億円の見通し。米国案件で採算が悪化したが、「自主再建のめどがつきつつある」(橋本社長)ことから分社化を決めた。アジア各国の経済成長に伴う鉄道網の整備や、環境対策としての都市交通の導入などの需要を取り込む。

また分社化に先行して、船舶海洋とエネルギー・環境プラントの両部門を21年4月に統合する。液化水素運搬船や水素の貯蔵タンクなどを両部門で開発しており、統合により経営資源の活用を一元化する。液化石油ガス(LPG)運搬船などを建造する坂出工場(香川県坂出市)を、水素関連製品の開発やエンジニアリングにも活用する。これらの施策により、水素分野を軸に新事業を育成する。

またコロナ禍に伴う旅客需要の激変で厳しい航空宇宙システム事業の人員を、ロボットを利用したPCR検査事業など社内の他部門に再配置する。需要の回復後に配置転換した人員を同事業に戻す方針だ。