スター精密は中国工場(大連市)で生産するスイス型(主軸移動型)自動旋盤のうち、日本向け機種をタイ工場(ナコンラチャシマ県)に移管する。2021年中をめどに、まず2機種で実施し、続いて3機種程度を順次移管する。移管規模は年100台程度。中・下位機種を生産する中国工場は、中国国内向けの生産に特化。コロナ禍で生産のリスク分散を図るとともに、中国市場では底堅い需要を取り込む。

スター精密の国内外合わせた生産能力は年約5000台。中国工場からタイ工場への生産移管は、19年に米中貿易摩擦対策として米国向け機種を皮切りに、20年に入り欧州向け機種でも実施した。

タイ工場の生産能力は同150台。中国工場からの移管分を加えても生産に余力があるという。移管後、日本向け機種はタイ工場から輸出する。

中国は技術、サービスなどの輸出管理を強化する輸出管理法が成立、12月1日に施行されるなど輸出環境を注視する必要も指摘されている。リスク分散のため、中国工場は中国市場向け機種の生産に絞ることにした。

中国工場の生産能力は月230台程度。中国では5月単月の受注が過去最高の211台となるなど、今後も市場の伸びを見込む。このため、生産能力は当面維持する。

中国市場を深耕するため、21年中に販売会社の上海星昂機械を上海市内で移転、拡張する計画。テスト加工に対応するショールームを備え、加工提案など販促のためのソリューションを活発化する方針。ここで得た知見、ニーズを中国国内向け機種開発に生かす。