【福井】セーレンは福井大学、若狭湾エネルギー研究センター(福井県敦賀市)と組んで宇宙環境に耐える民生電子部品の探索に乗り出した。事業化を狙う超小型人工衛星の製造受託で、高性能の機体を安価に実現する狙い。2021年度から3者で年5―6回の評価試験を計画する。世界で超小型衛星の打ち上げが進む中、商機が広がるとみている。

幅広い放射線試験ができる若エネ研のイオン加速器装置を使う。すでに10月に中央演算処理装置、電源系の半導体素子などから、有望な市販品をリストアップして4点を試験。放射線の照射によるエラー発生の頻度、リセット後の動作復旧性能などを解析し、「使えそうなものがあった」(同社)という。

放射線の耐性が劣る部品もアルミニウム板の遮蔽(しゃへい)などで保護する手法を試す。セーレンは年3台程度、超小型機体の製造を元請けの形で受託しており、今後は機構部品の外販も視野に入れる。

超小型衛星は人工知能(AI)を積んで自律運用し、軌道上の機動的運用や深宇宙探査に用いる開発が進められている。小さな機体に機能を詰め込む傾向が強く、従来の堅牢(けんろう)な宇宙仕様部品は不向きで、東京大学などが先行し、市販部品で製作する取り組みが進む。

セーレンは福井県の後押しを得て5年前から東大などの超小型衛星の開発製造に参画している。