ワーク外さず加工時間短縮

熊本精研工業(福岡県糸島市、池内周作社長、092・334・7531)の機上測定機が自動化や技術承継の面から注目されている。同社は金型部品などの精密加工メーカーだが、機上測定機は加工時間の短縮を目的に自社用として開発した。その後、「他社でも同じように困っているはず」(池内社長)と販売を始めた。

機上測定機はマシニングセンター(MC)や放電加工機などに対応する。加工機内に測定用カメラを取り付けることで、加工機にワークを固定したまま測定できる。測定精度は1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。ワークの位置決めやツールの摩耗具合の確認にも使える。消費税抜きの価格は仕様により100万―150万円。

機械からワークを外して測定機で測り、再度加工機に固定して加工する場合に比べると加工時間を大幅に短縮できる。作業者による測定品質のバラつきも防げる。従来、加工機に取り付けたまま測れる顕微鏡もあったが、同社が手がける加工精度では難しかった。

機上測定機はソフトウエアにより加工機の数値制御(NC)やCADとの連動も可能。ソフトを追加し、加工と測定の組み合わせを高度化していくユーザーもいる。加工機メーカーと共同でカメラの組み込みにも対応する。ワークの位置を決めて加工を開始し、加工後の測定まで自動化できるシステムも構築できる。「メーカーとつながっていることも強み」(池内社長)だ。

同社の機上測定機が対応できる加工機は幅広い。そこで期待されるのが技術伝承での利用だ。タブレット端末に加工結果を分かりやすく表示できる点を生かし、画面に示しながら技術指導ができる。

現在、機上測定機は金型部品の加工などで使われている。「実際に使ってもらい、それまでの測定と比べてもらうのが採用に結びつきやすい」(同)。これまでに100台以上販売した。アジアの日系メーカーで使われるケースもある。(西部・関広樹)