NTTがNTTドコモの完全子会社化に続き、グループ再編に向けて歩を進めている。現在はNTT傘下であるNTTコミュニケーションズ(NTTコム)とNTTコムウェア(東京都港区)を、2021年夏にもドコモの子会社とする案を総務省へ示した。ただ競合他社は警戒を強めており、NTT東日本やNTT西日本も含めた一体化が進みかねないと懸念する。総務省の有識者会議における議論の行方が注目される。(斎藤弘和)

NTTはグループ再編の方向性を総務省の「公正競争確保の在り方に関する検討会議」の場で説明した。21年夏をめどにNTTコムとコムウェアをドコモの子会社とし、NTTとドコモの研究開発機能の連携を強化。22年春から夏ごろには、各社が担う機能を整理する。NTTは20年9月にドコモの完全子会社化を発表した時点でグループ再編の意向を示していたが、今般、実施時期や内容をより具体化した。

各社の機能整理については、個人向け営業はドコモを中心に展開。仮想移動体通信事業者(MVNO)事業やインターネットサービス事業者(ISP)事業では、通信事業者を支援するVNE事業をNTTコムが担い、ドコモとNTTコムがそれぞれ出資するNTTレゾナント(東京都港区)が個人向けに販売する。法人事業はNTTコムが一元的な顧客対応を実施。コムウェアはドコモグループのソフトウエア開発を支援する。

ただ、競合他社は反発を示す。KDDIは「NTTコムの事業や資産がドコモに移転されると、ドコモは禁止されているNTTコムとの排他的連携が実質的に可能になる」と指摘する。ドコモは移動通信市場でのシェアが大きく、NTT東西やNTTコムといったグループ会社を優先的に扱うような排他的取引が禁じられている。一方、NTTはドコモのシェアが低下傾向にあるとし、ドコモのみに課されてきた禁止行為規制の見直しを要望している。

また、ドコモとNTT東西との関係性も議論が続く。NTTは東西について「ドコモやNTTコムとの関係が変わるものではなく、これまで同様、不当な優先的取り扱いや情報の目的外利用の禁止を担保していく」と説明してきたが、競合他社の警戒感は依然強い。KDDIは「ドコモと東西の研究開発が一体的に行われるのか、行われないのか。そのあたりを次回(の有識者会議)までにNTTから明示してほしい」と注文した。議論の着地点に注目が集まる。