日本無線(東京都中野区、小洗健社長)は、地域限定で第5世代通信(5G)を構築するローカル5Gを活用したビジネス開発に着手する。2020年12月に長野県と新潟県でローカル5Gに対応した実験試験局免許を取得した。今後、長野事業所(長野市稲里町)内にある先端技術センターで一般公開しながら、自治体や教育機関、スタートアップ企業などと連携した実証実験を行う。

実証を通じ、日本無線が強みとする防災分野のほか、自動車や建設など各業界の自動化や遠隔操作を支援するローカル5Gサービスの創出を目指す。例えば、気象データや河川情報、ダム管理情報の連携や人工知能(AI)を活用した災害予測システムを構築し、治水政策と流域治水の双方に対する防災・減災情報サービスを提供する。スマートグラスを用いた工場の遠隔作業支援サービスや、遠隔医療を支援する情報サービス、海外鉱山向け構内遠隔作業システム、建設機械遠隔制御システムなども想定している。

ローカル5Gは、地域の企業や自治体が自らの建物や敷地内に通信設備を構築し、超高速・大容量・低遅延通信が可能な5Gを独自利用できる仕組み。地域や産業分野の個別ニーズに基づいた比較的小規模な通信環境を構築できる。

総務省が19年12月にローカル5G用無線局の免許申請受け付けを始めており、富士通やNECなど情報通信関連企業を中心に実証を行っている。日本無線は「自社の特徴を生かした独自のサービスを開発していきたい」とする。