東洋紡は12日、竹内郁夫取締役兼常務執行役員(58)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。楢原誠慈社長(64)は代表権のない会長に就く。

大阪市内で会見した竹内次期社長は「製造業の根幹に関わる防災安全や品質保証体制の再構築と強化について、最優先課題として取り組む」と強調。「従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持って働き続けられる会社にしたい」と抱負を語った。

同社は2021年度を最終年度とする中期経営計画を進めている。次期中計を見据え、楢原社長は「実際に実行していく新社長の下で作った方が良い」と社長交代の経緯を説明した。

【略歴】竹内郁夫氏 85年(昭60)神戸大経卒、同年東洋紡績(現東洋紡)入社。18年執行役員、20年常務執行役員、同年取締役兼常務執行役員。香川県出身。

■素顔/東洋紡社長に就任する竹内郁夫(たけうち・いくお)氏 人望厚く、変革に熱意

短繊維テキスタイル輸出部のほか、経営企画室やエステル長繊維事業部などに在籍し、2020年4月に常務執行役員に就任した。楢原誠慈社長は「東洋紡の未来を良くしていこうという熱い思いを持っており、社内の人望も厚い」と評価する。

内示を受けたのは20年12月。「正直驚いた」と振り返る。一方で「(楢原社長の)私への期待や信頼に応えることが、これまでお世話になったことに対するお礼と思い、即座に引き受けた」と経緯を説明する。

20年は犬山工場(愛知県犬山市)の火災事故や、樹脂製品の品質不正問題が発生。「危機は変革のチャンスと捉え、持続可能な成長を目指し、改革を進める覚悟だ」と決意を示す。

信条は「変化を恐れず、変化を楽しみ、変化をつくる」。趣味はオーケストラでファゴットを演奏すること。(大阪・友広志保)