新型コロナワクチンの実用化で流行の収束に期待がかかる一方で、新たに変異種が見つかるなど不安要素が出てきた。ワクチンの効果や今後の展望について北里大学大村智記念研究所の中山哲夫特任教授に聞いた。

―変異種の発生は何が問題ですか。

「ウイルスが細胞に結合する部分が変異した。細胞内への侵入や増殖する因子は別にあるが、ウイルスが細胞を捉えやすくなったことが感染力の増強に関与している可能性がある。変異の原因として、慢性免疫不全の患者への持続的な感染や、動物への感染を介したことが研究で示唆される。変異の原因を考えると日本国内で変異が起きる可能性は否定できない。どのような性質に変化するか分からないので、感染拡大を抑えて変異のリスクを減らすことが重要だ」

―変異はワクチンの効果に影響しますか。

「多少影響はあるかもしれないが、有効性には問題ないとみている。部分的に中和抗体の効果がなくなっても、他の中和抗体が機能すればワクチンの効果は期待できる。変異種に対する効果についても、これまで通り安全性と有効性の継続的な検証が必要だ」

―ワクチンだけでは感染拡大の抑制は難しいとされています。

「優先接種の対象は感染リスクや重症化リスクが高い高齢者や医療従事者で、接種により重症化率や死亡率を低減させることが目的だ。一方、20―40代の若い世代は、感染しても無症候、または軽症なため活動を続けてしまう。こうした世代へいかに働きかけるかが、感染の拡大を抑える重要なポイントだ。より多くの人へワクチン接種を進めるのと並行し、若い世代で人との接触を避けて感染を広げない対策を続けていくべきだろう」(安川結野)

*取材はオンラインで実施