シチズン電子(山梨県富士吉田市)は、ドライバーを内蔵した小型VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)でレーザー市場に参入する。1月下旬から順次、パッケージやモジュールのサンプル出荷を始める。VCSELは3次元(3D)センシング用の光源で産業機器やロボット、自動車など採用先は幅広い。高性能化や低コスト化を強みに、2022年に約3億円の売り上げを目指す。

パッケージの大きさは4・5ミリメートル四方で高さが1・8ミリメートル。ドライバーやVCSELの素子間の配線インピーダンス(交流電流の流れにくさ量)を極小化して、高出力化や応答速度の高速化、高放熱と小型化の両立を実現した。「3in1」タイプの場合、出力は一般的な製品と比べて60%増。

検出範囲が広い産業機器向けに4灯搭載で20ワット出力のモジュールのサンプル出荷も3月に始める。4月には独自開発のドライバーとVCSELをスタック構造で一体化したパッケージも出荷予定。従来構成比で約半分の省スペース化が図れる。

近赤外光の反射時間から距離を算出する「タイム・オブ・フライト(ToF)」方式のカメラの市場が広がる中、より高精度で長距離の計測に対する需要を取り込む。既存事業の発光ダイオード(LED)のパッケージ化技術は、高集積化による小型化や高放熱性の両立など、高性能化に活用しやすい。

製品開発に向けて1億5000万円を投じた。生産ラインは山梨県内の拠点に構築する予定で量産時期は引き合いを見て決める。今後は製品群を増やし、レーザーをデバイス事業の新たな柱に育てる。

3月出荷予定のVCSELモジュール