YKK APはエクステリア事業の販売戦略として、2月にも“コト提案”を始める。「バルコニーのある暮らし」をテーマに、在宅時間が増えた家族が食事をしたりといった新しい日常でのバルコニーの使い方を提案する。従来は製品の機能や特徴の説明にとどまっていた。製品を使うことで豊かな暮らしをイメージできるようにし、需要を喚起する。20年度で約600億円の同事業の売上高を早期に1000億円に引き上げる。

エクステリアを扱う工務店・施主向けの製品パンフレット、ホームページに載せる動画などを通じて提案を普及させる。コト提案に向け、社内でアイデアを出す社員「アイデア委員」を選定済み。同委員がブレーンストーミングをしたり、堀秀充社長と対話したりして、提案内容を決める。決まったものは順次、販促物に反映させていく。

コロナ禍で在宅時間が増え、「気晴らしにバルコニーで食事をする家庭が増えてくる」(堀秀充社長)とみている。こうした新しい日常に対応したコンセプトを発案し、浸透させる。

YKK APは窓や玄関ドアを扱う住宅事業が主力。同事業ではTOTO、大建工業と組んで、10人いれば10通りの暮らし方がある「十人十家」というコンセプトでコト提案を展開中。エクステリア事業でも同様に製品を通じて得られる生活シーンや体験にまで踏み込んだ提案を行い、潜在的な需要を掘り起こしたい考えだ。

YKK APの21年3月期の売上高は前期比6%減の4000億円を見込む。だが、エクステリア事業に関しては4―11月で売上高は前年同期比2%減にとどまり、「コロナ禍でもほぼ前期並みだった」(堀秀充社長)。エクステリア事業を「当社の成長事業の一つ」(同)と位置付け、今後、コト提案を軸に販売に力を注ぐ。