富士通研究所は21日、顔情報と手のひら静脈を組み合わせて本人を特定する非接触のマルチ生体認証において、マスクを着用していても、マスク着用なしと同等レベルの99%以上の高精度で本人特定が可能な認証技術を開発したと発表した。

マルチ生体認証は、カメラで顔情報を取得することで、登録済みの顔情報から照合対象者を絞り、さらに手のひら静脈で対象者を絞り込んで本人を特定する。これに今回開発したマスク着用の認証技術を組み込み、「レジなし店舗」などの手ぶら認証の利用を想定して、2021年度中の実用化を目指す。

開発した技術は、マスク非着用の顔画像に、疑似的に生成したマスク画像(疑似マスク)を付加し、データを拡張して学習させる。具体的には、まず目や鼻の位置などの顔の特徴点を検出し、顔の向きなどを推定した上で、疑似マスクのサイズを調整して顔画像に重ねる。これによりマスク着用を模した自然な顔画像を得て、高い認証精度を実現する。米国標準研究所(NIST)による顔認証ベンダーテストにおいて、マスク着用顔写真を模した方式で、国内ベンダーで1位の高精度を達成した。

また今回、手のひら静脈認証のセンサーも改善。センサーの周囲に手のひらの形をしたライトを設け、手のひらをかざす高さに応じてライトの色と発光パターンを変化させ、利用者に認証に適切な高さが簡単に分かるようにした。