レアアースの一種でモーター用磁石などに使われるネオジムの国際相場が続伸している。直近3カ月で約7割上昇し、1カ月前比でも約1割高い。脱炭素化の動きを強める中国で、最終用途となる電気自動車(EV)や風力発電の需要が増大し、相場を押し上げた。一方、中国では1月半ばに、レアアースの輸出管理などを強化する条例案が公表されたが、具体的な内容が明らかではなく市場の反応は限定的。関連事業者は規制の行方を注視する状況が続いている。

磁力が強いネオジムはモーター効率を高める磁石の原料となり、EVや風力発電機、産業用ロボットなどに使われている。いずれも中国が力を注ぐ成長分野であることに加え、中間材の酸化ネオジムの生産シェアは中国が約9割を占めるため、中国需給が市況に与える影響は大きい。

足元では、ネオジム相場がキログラム当たり110ドル台と約9年ぶりの高値圏を推移。旺盛な中国需要を背景に2020年11月頃から騰勢を強めている。

中国では補助金支給などが奏功し、最終用途となるEVの販売が堅調だ。EVが約8割を占める新エネルギー車の販売台数は、20年7月に13カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じ、同年10月と11月には前年比で約2倍にまで増大した。

また、19年に洋上風力発電の新設容量が世界最大だった中国では、20年も増設が続いた。中国国家能源局によれば、20年の風力発電の新規設備容量は前年比約2・8倍の約72ギガワットだった。

一方、中国は暗号技術関連の設備など戦略物資の輸出を許可制とする輸出管理法を20年12月に施行したのに続き、15日にはレアアース供給網への統制を強める条例案を公表。2月中旬まで意見を募っており、施行されれば供給制約による調達難と一段の相場上昇につながる可能性がある。

ただ条例案では、輸出入業者に管理規制を適用する規定があるが具体的な内容を欠き、「どんな影響を受けるかも分からず今のところ市中の反応は限定的で、足元の堅調な相場は旺盛な中国需要によるものだ」(国内商社)と条例案の公表後に相場上昇が加速する動きもない。市場関係者は中国需要と規制動向の双方に注意を払う状況となっている。