島津製作所はPCR検査用の新型コロナウイルス検出試薬の生産能力を2月内にも現状比3割増の月100万検査分に増強する。第3波で逼迫(ひっぱく)する試薬需要に迅速対応し、感染拡大防止に貢献する。同試薬をベースに新型コロナとインフルエンザウイルスへの感染有無を同時検査できる新製品開発や、複数検体を混ぜて検査を効率化する「プール方式」の産学連携での検証が進んでいることも明らかにした。

本社工場(京都市中京区)の同試薬の生産能力は現在、月72万検査分とみられる。感染再拡大でフル生産が続くほか、2月から欧米や東南アジア向けをはじめとする海外展開の本格化もあり、増産検討に入った。

昼夜交代制勤務での対応、もしくは生産ライン増設といった手法を検討している模様。感染症対策に力を入れる同社は、2020年4月から10万検査分で同試薬の生産を始めたが、生産能力は1年弱で10倍に拡大することになる。

同時流行が懸念されたインフルエンザについては、マスク着用をはじめ、感染症対策効果で患者数は少ない。ただ、症状は似ており油断はできない状況。独自技術で従来法の半分の約1時間で検査できる同試薬の特徴を維持した形で、新型コロナと同時検査できる新しい試薬の3月の製品化を視野に入れる。

厚生労働省は強化が遅れた日本の検査体制充実に向け、5人分など、複数検体をまとめて検査できるプール方式の行政検査に導入する方針を示している。

島津は数カ月前から東京大学と検証を進めていたもようで、1検体での検査時と同等の結果が得られているという。プール方式については、腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌、赤痢菌などの検査では主流の方法という。