三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、相模原市中央区、梶野武社長、042・862・0701)は、国内外で生産性を重視した事業体制を敷く。自動車向けターボチャージャー(過給器)に使われる部品の加工や組み立てを自動化し、顧客のニーズにも柔軟に対応しながら競争力を高めている。親会社の三菱重工業の量産系の収益を支えており、本工場(相模原市中央区)では再生可能エネルギーを活用する実証も進む。

ターボチャージャーの生産は日本に加え、オランダと米国、タイ、中国に工場を展開している。部品(カートリッジ)を生産する本工場には組み立てラインが整然と配置されており、作業者の姿をほとんど見かけない。環境規制の強化などの変化も的確にとらえながら、生産性と品質にこだわるモノづくりの現場だ。タイでも同様にカートリッジの生産を自動化している。

電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)が普及しつつあるが、当面の主力はガソリン車の見込み。本工場を中核とした体制でターボチャージャー市場の成長を取り込む。

MHIETでは自立給電システムを活用する取り組みも進めている。太陽光発電設備とエンジン発電設備、蓄電池を組み合わせた実証設備を本工場で運用している。自然エネルギーによる電力供給量が不安定になってしまう課題を解消する手段として、これまで培った技術力を活用した。自立給電システムの拡販も目指しており、実証で得られた効果が訴求力の向上につながりそうだ。

また、コロナ禍を機に海外事業を見直し、オランダでのカートリッジの生産をタイに集約した。「カートリッジの各地の生産設備はほぼ同じで、生産する場所を移しやすかった」(梶野社長)。今後は日本とタイでカートリッジを集中的に生産する。(孝志勇輔)

工場データ

MHIET本工場は三菱重工の相模原製作所内に設けられ、ターボチャージャーなどを生産する。自動車の燃費改善につながる基幹部品で、国内外の自動車メーカーを顧客に抱えており、MHIETの収益源の一つだ。