医療現場で殺菌線照射

「これほどカスタマイズ性のあるロボットは他にない」―。NTTドコモの久保田真司5G・IoTビジネス部ビジネスデザイン・第二担当課長は、スマートフォンで遠隔操作できる「テレワークロボット」の有用さに自信を示す。

同ロボットは台車のような形状で、荷物を最大40キログラムまで積載可能。ビデオ通話機能も備える。現在は第4世代通信(4G)で動作するが、2021年度中に5Gへ対応し、高精細な映像を送受信するといった機能向上を見込んでいる。

コロナ禍における代表的な活用例が、殺菌線を照射できる殺菌灯の搭載だ。「人が防護服を着て殺菌作業をする手間や感染リスクを抑制し、医療従事者の肉体的・心理的負担を減らすために導入を決める医療機関が多い」(久保田担当課長)。ドコモの協業企業で同ロボの設計や開発を担うスマートロボティクス(東京都千代田区)は、10台程度を病院に導入した実績がある。

ドコモが展開するロボットは他にもある。4月以降に「ugo(ユーゴー)警備仕様版」を商用化する予定だ。

遠隔操作に加え、決められたルートの自律走行ができる。ミラロボティクス(川崎市高津区)が開発したロボ「ugo」を基に、ビルメンテナンス事業を手がける大成が警備ソリューションとして構築。ドコモは通信回線の提供などを行う。

ドコモは競合する警備ロボット製品がいくつかあると認識しているが、「ugo警備仕様版は大成が自身の警備業務に導入して実績を積みながら人とロボの分業モデルを築き上げ、既存の警備体制に組み込みやすい点に優位性がある」(同)。5Gを使えばより高精細な映像の伝送が可能になる点はテレワークロボットと同様だ。

ただ、夜間のビル内部のような人が少ない場所で警備ロボを巡回させた場合、感染症拡大リスクを低減できるメリットは薄れる。そこでドコモは施設の入り口で警戒に当たる立哨(りっしょう)業務などで活用し、人と人の接触減少に役立てたい考え。コロナ禍では人とロボの“適材適所”が問われ続ける。(斎藤弘和)