大日本印刷は、電気自動車(EV)などに搭載するリチウムイオン二次電池の外装材であるバッテリーパウチの生産能力を順次拡大する。鶴瀬工場(埼玉県三芳町)内で6月に新工場を稼働。2022年には同工場内で2期棟を増設し、23年も別の拠点で生産を始める計画。現在の生産量は非公表だが、金額ベースでは24年度に同製品の売上高を現在の約3倍となる1000億円と見込む。

鶴瀬工場では、出版用輪転機などを置いていた建屋を活用する。新工場は延べ床面積が約1万7000平方メートルで、従業員数は約180人。生産ラインの省人化や、人工知能(AI)を用いた品質管理で生産効率を高める。2期棟も含めた投資額は数百億円規模で、22年には生産能力が現在の約2倍になる。

大日印はバッテリーパウチの世界首位。耐熱性や絶縁性といった機能の高さや、長年培った開発・製造ノウハウの蓄積を強みとしており、車載用途では特に欧米向けでほぼ100%のシェアを握る。

近年は脱炭素化の流れを受け、自動車向けの大きなサイズのバッテリーパウチの需要が急速に拡大。20年に同製品の製造を担う戸畑工場(北九州市戸畑区)に新棟を増設し生産能力を従来比2倍に高めたばかりだが、すでに需給が逼迫(ひっぱく)しているという。

リチウムイオン二次電池はEVや情報機器に限らず、家庭向けや第5世代通信(5G)基地局向けの電力貯蔵システム(ESS)、ドローン(飛行ロボット)など需要が幅広い。事業継続計画(BCP)強化の観点からも、生産拠点の拡大が必要と判断した。23年の新拠点については、鶴瀬工場のような国内工場の事業転換を視野に入れて候補地の検討を進めている。