新報国製鉄は最大900度Cの高温域でも膨張しない合金を開発した。セラミックスやガラスなど高耐熱の素材と同レベルの膨張率を実現しながら鋳造や鍛造、圧延、伸線といった成形加工が可能。切削や研磨など後加工で複雑な形状にも仕上げられる。現在は基礎開発の段階だが、早ければ年内にも量産技術を確立する。

同社は低熱膨張合金の開発、製造を主力とし、熱膨張率係数が1度C当たり0・1ppm(1ppmは100万分の1)以下という“ゼロ熱膨張合金”を実用化している。既に極低温域ではマイナス269度Cまで膨張しない合金を開発しているが、高温域では室温からの変化で200度C程度までが限界点で、それ以上は膨張が避けられないとされる。

今回は鉄以外の金属を基材に採用し、さまざまな元素や貴金属の成分調整と配合比、製造時や熱処理などの条件を最適化。650―900度Cでガラスやセラミックスと同等となる最適解を見つけ出した。特に700―800度C以上では室温からの相対熱膨張率でセラミックスの特性を上回るという。室温から高温域に達するまでの低膨張だけでなく、顧客が望む温度帯で膨張しない特性も出せるとしている。

今後は量産技術に加え、用途開発にも乗り出す。高温にさらされる固体燃料電池やロケットエンジン回りなどで加工しにくい部品などへ提案。「用途が定まれば、合金成分をアレンジし直して提供する」(鎌田貴幸執行役員)という。圧延や伸線などで複雑な形状加工が必要な場合は、製法をライセンス供与することも検討する。