産業技術総合研究所は25日、オランダ・デルフト工科大学の研究グループと、大気中の二酸化炭素(CO2)ガスから都市ガスの主成分であるメタンを合成する手法を開発したと発表した。CO2を吸収し、水素と反応させてメタンに転換する触媒を作製。大気中よりも薄い濃度のCO2ガスを材料に、従来手法に比べ最大1000倍以上となる高濃度のメタンを合成することができた。2050年のカーボンニュートラル達成に貢献すると期待される。

温室効果ガスの排出実質ゼロを実現するためには、排出削減だけでなく、産業利用で大気中に放出されるCO2を回収し、燃料や有用な化合物に転換する技術が重要とされる。だが大気中では、CO2は窒素や酸素などの他のガスで薄められるため、事前にCO2の分離・回収が必要だった。今回開発した手法ではCO2の分離・回収の前処理が不要で、この過程でのエネルギー消費を抑えられる。

CO2を回収する機能を持つナトリウムやカリウム、カルシウムと、CO2を水素と反応させメタンに変える機能を持つニッケルを含む触媒を準備。CO2ガスを反応器に入った触媒と反応させた。大気中のCO2濃度の4分の1程度に相当する0・01%のCO2ガスを触媒と接触させたところ、CO2だけが触媒に吸収された。さらに反応開始70分後に反応器へ水素を供給したところ、最大で10%の濃度のメタンを発生させることに成功した。さらに0・01%から数%の濃度にあるCO2ガスを90%以上の割合でメタンに転換できることを示した。