再生ボトル製造効率化

協栄産業(栃木県小山市、古沢栄一社長、0285・22・7988)は、使用済みペットボトルの再生事業を手がける。物性劣化を抑えながら不純物を除去し、ペットボトル原料に再加工する「ボトルtoボトル」のリサイクル技術を確立。飲料メーカーなどと連携し、強みの生産技術に磨きをかけている。古沢社長に企業との連携やリサイクル事業について聞いた。(栃木・大川諒介)

―再生ボトル製造を効率化する技術をサントリーホールディングス(HD)など4社で共同開発しました。

「『FtoP(フレークtoプリフォーム)ダイレクトリサイクル技術』を開発し、2018年に商業生産を始めた。回収ペットボトルを粉砕してフレークにした後、成形用のペレットに処理する工程を省き直接、ペットボトル用プリフォームを製造できる。工程省略や輸送効率化により、二酸化炭素(CO2)排出を従来技術から約25%削減できる」

―アライアンスを組んだ経緯は。

「当社が提案する再生ペットボトルに興味を示したのがサントリー食品インターナショナルだった。共同研究に着手し、10年に同社が再生材料由来ラベルを業界で初めて採用した。11年にはペットボトル本体に拡大。近年は再生ボトルの流通量が増加し、生産効率化に向けて新技術の提案を行った。実用化にあたりサントリーの働きかけで設備メーカーのイタリア・SIPA社、オーストリアのEREMA社が参画し、ノウハウを共有した」

―対応設備の稼働状況を教えて下さい。

「18年に『FtoP』の専用工場(茨城県笠間市)を稼働させ、20年に製造ラインを増設した。サントリー向け2ラインを合わせた年間生産能力は280ミリ―650ミリリットルペットボトルで約6億本分。設備導入が進めば、この新しい製造方法に置き換わるだろう」

―今後の方針は。

「ボトルtoボトルリサイクルと並行し、リサイクル原料を多角的に展開するための設備投資を行う。近年はサステナブル素材への関心が高まり、衣料用などの引き合いも増えている。高品質な再生原料を安価で提供できる供給体制を整える。資源循環の定着に向け、メーカーや自治体、小売り・流通業などと広く連携したい」

協栄産業社長・古沢栄一氏
【チェックポイント/資源循環、仕組みづくり加速】

協栄産業の「ボトルtoボトル」による再生ペットボトルは、原油からペットボトルを作る場合に比べ生産時のCO2排出量を約63%削減できるという。新技術の普及は環境負荷のさらなる低減につながる。同社は独自にリサイクル技術を確立し、これまで再生ペットボトル市場を切り開いてきた。環境への配慮などの観点からリサイクル素材が注目を集める中、アライアンスを活用して資源循環の仕組みづくりを加速させている。