日刊工業新聞社が12日まとめた工作機械主要7社の2020年度の工作機械受注高は、前年度比15・8%減の2731億9200万円だった。20年初頭から新型コロナウイルス感染症が拡大し、製造業の設備投資が大幅に減退。工作機械メーカーも営業活動の自粛を強いられるなど、コロナ禍の影響が特に年度前半に色濃く表れた。ただ、足元では中国を中心に受注環境は改善しており、各社は今後も回復持続に期待を寄せる。

牧野フライス製作所は受注総額が435億円で、10年度以降では最も低かった。オークマは円高の長期化の影響などを受けた12年度以来、8年ぶりに1000億円を下回った。ただ同社は「コロナ禍で営業活動ができない期間などもあったものの、よくこの規模の減少でとどまったという印象」(マーケティング室)と捉える。

中国市場に強いツガミは、受注総額が唯一増加となった。中国で自動車を中心に幅広い業種からの需要を取り込んだ。

21年3月単月の受注額は前年同月比54・7%増の349億9400万円だった。20年半ば以降、需要をけん引してきた中国に加え、欧米などにも受注回復の流れが波及している。

オークマは中国向けが同約2倍となったほか、米国向けが航空機や自動車を中心に同4割増、欧州向けが自動車部品や油圧機器関連向けに同8割増に伸びた。ツガミとOKKは輸出が同2・8倍と大幅に増加。「中国が引き続き強く、欧米も(受注ペースが)上がってきた」(ツガミ幹部)という。芝浦機械の輸出は同69・9%増で、中国で風力発電向けに横中ぐり盤、スマートフォン関連向けに超精密機を受注したことが寄与した。

今後も新型コロナ感染の影響などが懸念されるものの、回復基調が続く見通しだ。オークマでは「製造業の設備投資は急激に落ちることなく、夏に向けて国内外ともに上がっていく」(マーケティング室)とみる。


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