江崎グリコは、社員の健康維持・増進を重要な経営課題と位置付け、2018年に「Glico健康経営宣言」を打ち出した。健康経営推進グループを新設し、全社員を対象に日々の歩数や食事内容を記録するヘルスケアアプリの導入や、健康セミナーを開催する。社員の健康管理を自ら買って出る「健康推進リーダー」を各職場に配置するなど、全社を挙げて社員の健康づくりに取り組む。

現在、アプリを活用して1日8000歩を推奨するウオーキングイベントを開催。歩数に対しポイントを付与し、1ポイント=1円で自社商品を購入できる。

他にも、外部講師を招いての歩き方セミナーや大腸がんセミナー、睡眠の質を上げるセミナーを開催し、人気は上々だ。

同社が目指すのは、社員自身が主体的に健康管理に取り組むこと。経営企画部の白江英之グループ長は、「アプリ導入で終わるのではなく、自己管理を習慣化させることが重要」と説く。健康状態を把握し、必要な知識をつけ、実践するPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを回す仕掛けをつくる。

そこで健康経営推進グループは、情報提供に同意があった社員を対象に、アプリから歩数や睡眠状態などのデータを収集している。統計データを作成し、課題を分析することで最適な施策の打ち出しにつなげる狙いだ。

その結果として、アプリ導入から約2年経った今でも1カ月に1回以上の平均使用率が約84・1%と高水準を維持する。社員からは「今までと本気度が違う」という声もあり、健康への意識が確実に向上しつつある。

次の取り組みとして構想するのは、個人に合わせたフィードバックの実現だ。日常の健康を記録するアプリのデータを活用し、個々に寄り添ったアドバイスにつなげる。

現在、産業医8人で全国の社員の健康管理に対応しているが、今後企業のオフィスに常駐する保健師を新たに雇用する計画。社員一人ひとりの健康に寄り添い、心身ともに良好な状態で働く環境を整える。(大阪・池知恵)