大学の新型コロナウイルス感染症対策は、講義や研究、事務の教職員と、授業や研究室で活動する学生の両方を考える必要がある。共通の対策もあれば、相補的なものもある。

東京都市大学では入構時の検温を実施しており、教職員は一つに絞った入り口で対応する。対して学生は自宅で自ら行い、その数値を同大開発のアプリに登録し、登学時に提示する。「複数の機器を試したが、学生は電車の到着時刻を反映し入り口で密になりがちだ。このため、事前の自己管理にしてもらった」と総務部の小松義直人事課長は説明する。

オンライン授業のウェブ会議システムでは、授業運営補助をするティーチングアシスタント(TA)として大学院生らが活躍した。システムに不慣れな2020年度前期、対面とオンラインの併用で対応が煩雑になった後期と、教員からの支援員を求める声に対応した。大学院生にとってはTAが経済支援のような形になり、歓迎された。

学生は自宅で体温測定しアプリに登録したものを登学時に提示する

同大は19年10月、台風による浸水被害を受けており、「立ち入り制限など一部で続いていたことが、結果として新型コロナでの対応をスムーズにした面がある」(小松課長)。制限下での研究活動や届け出手続きなどは、新型コロナの“予行演習”になったようだ。

ここ数年で進めてきたキャンパス再整備もプラスに効いた。4階建てなど高さを抑えながら、収容能力のある施設が増加。対面授業に学生が集まっても密とならず、扇風機や窓開けの換気で十分な安心感が得られた。

学生の対面活動は三木千寿学長が重視するところで、20年初夏から研究室活動を、後期から実験や製図などの実習を再開した。1年1年が貴重な学生の思いを大切に新常態の対応を整える。(編集委員・山本佳世子)

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