アドバネクスは米州の精密バネの生産体制を再編する。同社は米国1工場、メキシコ2工場の体制で自動車向けを中心に医療向けにも製品を供給している。このうち老朽化や地価高騰による取引先移転で輸送費が増加しているアメリカ工場(カリフォルニア州)を売却。テネシー州に新工場を建設して12月に稼働する予定。投資額は約13億円で現工場の売却益を充てる。米国生産は付加価値の高い医療系にシフトし、自動車向けのうち価格競争力の低い製品はメキシコ工場に移管する。

現在のアメリカ工場は建設から40年以上が経過し、効率化が難しい。さらに周辺地価の高騰で取引先が次々移転。輸送費が重い負担となっていた。このため医療産業集積地のテネシー州で医療機器向けを強化するとともに、日系自動車関連メーカーが集まるメキシコの2工場に価格競争力が低い自動車向け製品を移管する。

再編で米州内の輸送費はほぼなくなり、人件費も約2割低減できる見込みだ。

テネシー州では約9万3000平方メートルの土地に、建屋面積約3800平方メートルの新工場を建設中。陽圧室などを備え衛生管理を徹底する。インスリン用注射器や医療用吸入器などに使う管経0・1ミリ―0・5ミリメートルの極小精密バネの生産体制を強化する。

現在のアメリカ工場の売上高は約20億円で2割を医療機器関連が占める。再編で5割まで高める計画だ。

アドバネクスは自動車向けの精密バネが売り上げの半分を占める。自動車の電装化が進み需要が伸びる中、効率化を図ってきた。並行して、医療機器向けを第2の経営の柱として伸ばす方針。同社は世界で生産体制再編を計画しており、米州は第1弾。今後は日本や中国に続き東南アジア、欧州の生産拠点も見直す。