日本HPの松田理紗さん(34)は、世界でも数少ない女性の3Dプリンティングエンジニアだ。技術に初めて触れたときの感動で業界に飛び込み、今ではさまざまな企業で機械メンテナンスや活用支援を行う。「アイデア次第でなんでもできるという可能性をお客さまにも感じてほしい」と目を輝かせる。

機械の構造は通じるものがある

海技大学校という船乗りを育成する学校で、船上の機械や電機システムのメンテナンスを学び、機関士として約4年間船の上で働きました。機械に関する知識を生かし、2017年から日本HPの3Dプリンティングのエンジニアとして働いています。船上と陸上という違いはありますが機械の構造は通じるものがあり、スムーズに業界になじめたと思います。

3Dプリンターの機械を導入した企業に出向き、メンテナンスや、作製した造形物がうまく稼働しないといった問題の解決を支援しています。お客さまの作りたい物は一つひとつ全て違っていて、同じものはありません。会話から問題点を探り、さらに本社のテスト部門につなぐといった各部門とのコミュニケーションが欠かせません。

3Dプリンティングによってできることはたくさんありますが、中には技術的に解決が難しいこともあります。お客さまには代替案や他の事例を示しながら、モチベーションの維持を後押しします。「3Dプリンティングでこんなにすごいことができる」と希望を持ってもらえるよう現場のムードを上げることは、機械メンテナンスと同じくらい重要です。3Dプリンティングの可能性をお客さまに伝え、ビジネスに生かしてほしいです。

今は現場一筋で、お客さまのトラブルと向き合って仕事をしていますが、今後は困りごとを受信する前に、付加価値のある情報を提供するような顧客サービスもしてみたいと思います。

休みの日には子どもと一緒に遊んだり、出かけて体を動かしたりしてリフレッシュしています。仕事をしているからこそ、子どもの世話も楽しめていると感じます。

(文=安川結野、写真=高山基成)


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