経済産業省と国土交通省は一定条件下において運転手の操作なしで走行する「レベル4」の自動運転車を使った移動サービスの実証事業に乗り出す。走行中の自動運転車を遠隔監視する仕組みなどを整備し2025年度までに全国40カ所以上でサービスの導入を目指す。地方を中心に公共交通機関の運転手不足で新たな移動手段の確立が課題になっている。無人走行できるレベル4の社会実装を急ぎ、社会課題の解決につなげる。

実証では限定エリアでの走行実験を通じ、レベル4の移動サービスに必要な遠隔監視の仕組みや走行技術の確立、事業性の検証などを進める。移動サービス実現の核になる遠隔監視については、遠隔監視者の役割の定義や求められる能力などを整理する。乗客が乗降する際の安全確保や緊急時の対応、サイバーセキュリティーに関する検証も行う。

22年度をめどに限定エリアで低速車両によるレベル4の移動サービスを実現した後、遠隔監視する自動運転車の台数などを増やすなどし、25年度の全国展開につなげる。警察庁などはレベル4の自動運転車の公道走行に向けた制度設計を進めている。

経産省と国交省は自動運転分野における日本の競争力向上と社会課題解決を目指し、15年に「自動走行ビジネス検討会」を設置した。検討会には自動車メーカーや部品メーカー、大学などが参画している。

20年度には福井県永平寺町で国内初となる「レベル3」の自動運転車を使った移動サービスの試験運用を実施しており、これらの成果をレベル4の移動サービス実現に役立てる。

レベル4など無人の自動運転車を使った移動サービスを巡っては米国や中国でも実用化に向けた実証事業が活発化している。

米国では無人自動運転タクシーの一部商用化が始まっているほかバス高速輸送システム(BRT)の無人化を進める動きがある。中国では政府が自動運転用の交通インフラを整備し、IT企業が自動運転タクシーやバスの走行実証を進めている。